投資用マンション売却時の消費税について知っておこう
不動産を売却する場合、消費税が課されることがあります。
とはいえ、不動産投資を行う上で投資用マンションを所有している場合、投資というイメージがあるので、自分が事業者となっていることをあまり理解していない人も珍しくありません。
しかし不動産投資と呼ばれていますが、実際には不動産賃貸事業を営んでいる状態なので、投資家と呼ばれる人は、事業者の扱いとなっています。
そのため、個人であればそれほど気にする必要がない消費税ですが、事業者となるので消費税のこともよく理解しておかなければならないでしょう。
消費税は課税事業者に対して課税されます
消費税はお店がなにかを販売するときに課税されるというイメージがあるかもしれませんが、実は売主が法人であっても、個人であっても関係なく課税対象となる場合があります。
実際に課税されるかどうかは、その課税売上額によって決まります。
したがって、課税対象となるのは法人だけというわけではなく、個人でも課税売上高が高額であれば課税対象となるので注意しましょう。
では、そもそも課税売上高とは一体なんでしょうか。
課税売上高とは、消費税の課税対象になる取引の上で発生した売上高のことを言います。
例えばものを売った場合や、ものを貸した場合などです。
またサービスの提供によって発生する売上もその対象となりますが、賃貸物件を誰かに貸したときの家賃収入自体は消費するものというわけではないので、課税対象とはなりません。
だから、不動産投資を行う上で、どれだけ豪華なマンションを所有してそれを誰かに貸して莫大な利益を得ていたとしても、あくまでも単なる売上に過ぎないので消費税を納税する必要はないのです。
しかし、投資用マンションを誰かに貸して利益を得るのは課税対象とはなりませんが、そのマンションを手放すために売却した際のお金に関しては、建物の売買による売上という扱いになるので課税対象とみなされます。
すぐに課税対象となってしまうわけではありません
投資用マンションを手放したとき、その金額が1000万円を超えると消費税の課税対象とみなされますが、実は1000万円を超えたからと言ってすぐに課税されるわけではありません。
実は課税対象とみなされるかどうかは、基準期間における課税対象売上がどれだけかということで判断されるからです。
この場合、個人であれば前々年の課税売上高が1000万円を超えるなら課税対象とみなされます。
また法人の場合は前々事業年度の課税売上高が1000万円を超える場合です。
また、前々年は売上高が少なくても、前年の1月1日から6月30日までの課税売上高が1000万円を超えている場合も、課税事業者としてみなされるので注意しましょう。
つまり、一昨年はそれほど課税売上高が多くなかったとしても、昨年1月から6月の半年間で売上が増えている場合は課税対象とみなされるというわけです。
だから税金のことを考えずに売却してしまうと、その金額によっては自分が負担して納税しなければならなくなってしまうので注意しましょう。
できるだけ損失を出さないようにする方法を知ろう
自分が所有している投資用マンションを売却する場合は、一昨年と昨年の1月から6月までの間の売上高に注意しましょう。
それぞれの期間の課税取引による売上が1000万円を超える場合、課税事業者とみなされてしまうからです。
もちろんその時に払う税金はその時点の税率となっており、その額は全て自分で負担しなければなりません。
ですから、実際に物件を売却したいというときは、その建物の評価額だけでなく、そこに消費税分を入れた額にすれば、余計な損失を出さなくても済みます。
もしその消費税の額を希望売却額に入れずに売ってしまった場合、どれだけ入れ忘れたということを訴えたとしても、それが理由で納税を免れることはありません。
投資用マンションを売却する場合、個人であっても法人であってもその金額によっては課税対象とみなされる可能性があります。
そのため、売却の際は必ず消費税分を入れた額を希望額として売らなければなりません。
ただ前々年や前年の課税対象売上高が1000万円に満たない場合は、すぐに課税対象とみなされるわけではないという決まりにもなっています。